Watson Summit 2017で日本IBMの山口専務より発表された「IBM Watsonを活用した次世代超高速開発」ソリューションです。私も開発・展開に参加しているソリューションで、これまでのアプリケーション開発のプロジェクトを、ワトソンや自動化技術を使い、少しでも変革していこうという取り組みです。
これまでも超高速開発のソリューションというのはあり、データ定義などからアプリケーション・プログラムを自動生成しようという製品も多々ありました。しかしプロジェクトはプログラミングのワークロードだけでなく、プロジェクトの計画や管理、レポートの作成から仕様のチェックやテスト、保守や障害対応など様々な要素が含まれます。
これらのうち特に、プロジェクトの計画・管理、レポーティングなどプロジェクト・マネージャーやPMO(プロジェクト管理オフィス)が実施するような項目を、ワトソンなどで効率化するのが「コグニティブPMO」です。
これまでプロジェクトのメンバーが、プロジェクトのPMOや有識者、会社の標準化チームなどに問い合わせて確認していたようなプロジェクト標準や、様々なプロジェクト指標値などをワトソンにインプットしておき、プロジェクトメンバーがワトソンにチャットで問い合わせるというものです。
ワトソンへのチャットのイメージは以下のとおりで、この例では「品質管理について」ワトソンに問い合わせると、ワトソンがその概要や標準ドキュメントへのポインターなどを教えてくれます。この画面は実はIBM社内で既に利用しているコグニティブPMOの画面で、社内に散在している様々なプロジェクト管理情報をワトソンにインプットすることで一元的に答えてくれています。
今回のこの発表は、こうしたIBM社内で使っているワトソン活用のノウハウを、IBM社外のお客様プロジェクトで活用させていただくというものです。
また、「統合リポジトリー」というアプリケーション仕様をオンラインでインプットするデータベースを活用し、そこからJavaやCOBOLなどのアプリケーションを自動生成するツールの提供も開始しました。
統合リポジトリーから自動生成ツールにより一度画面からサーバーのロジックまで一通り動くコードを生成した後で、動く画面を見ながら画面のレイアウトを修正したり、ビジネスロジックを追加する、アジャイル的開発の要素を取り込んだソリューションになっています。