日本IBMの新社長エリー・キーナンが冒頭で話したように、昨年はAIやコグニティブって何?どう使えるの?という話が多かったWatson Summitですが、今年は具体的に企業の中でどう活用(Infuse)しているかという話が印象的な基調講演でした。
ワトソンは既に世界中で4000万人の人が使い、年内に1億人を目指しているそうです。日本でも100社以上の企業に採用いただき、業界の変革に貢献しています。私も、この一年でワトソンの利用事例がすごく広がったという実感があります。
既に東大のゲノム解析で使われていたり、Watsonサイバー・セキュリティで不正攻撃を見つけたりと、膨大なデータの中から重要なポイントを見つけ出す際に活用されている。プロフェッショナルな人をサポートしてくれるのがワトソンと、エリーが話しています。
また、シェフWatsonは人が思いつかないレシピを提示してくれるため、本にしたらよく売れたという話や、今回日本で初めて展示されたコグニティブ・ドレスの話もありました。これらはワトソンが人の想像力を高めてくれるもので、それもワトソン活用の利点だと。そのためワトソンは、より繊細な感覚に広く対応するよう認識力向上や多数の言語対応に力を注いでいるとのことです。
リサーチやクラウドのリーダーであるアービン・クリシュナも来日して話してくれました。毎日2.5エクサバイト作られているデータを、どう活用するかが課題だと話しました。
以下の資料でコグニティブのポイントを解説してくれました。コグニティブ・コンピューティングとしては対話による意思決定や専門領域に対するサポートがポイント。また、人工知能(AI)として自然言語処理や知識と推論がポイント。もう一つはマシン・ラーニング(機械学習で)統計分析やパターン認識がポイントと整理してくれました。
特にヘルスケア分野ではワトソンの利用が進んでいて、様々なソリューションが既に活用されているとのこと。さまざまな領域でワトソンが活用され、エコシステムができつつあるそうです。
ヘルスケア分野では特に大量データの処理や、個人情報のためのセキュリティが大事で、そういったBig Dataの活用と保護のためのしっかりしたプラットフォームの活用が大事と以下を紹介してくれました。
また、日本唯一のIBMフェローの浅川さんが、目の不自由な方のために、日本橋の駅から映画館までといった移動をスマホが誘導してくれるという、コグニティブ・アシスタントの実証実験をされた話が紹介されました。実際にこういった人に役立つ事例が増えたのも良いニュースですね。
最後にIBM松永常務が、今年末までに、世界で1億人がワトソンを活用してもらえるよう様々な活動をしていきますと、強くメッセージしました。
そのための施策の一つが、コールセンターや金融業務など80種類の業務知識をあらかじめ備えたワトソンです。その中の一つが「IBM Watsonを活用した次世代超高速開発」ソリューションであり、プロジェクト管理や開発者のための知識を蓄積したワトソンを提供するというものです。
以下の記事で紹介します。