IBMのクラウドは、IBM Cloudという名称に変わりました。これまでは Bluemixと呼ばれていましたが、IaaSである旧Softlayerの Bluemix Infrastructureと、PaaSである Bluemixの両方を合わせて11/1から IBM Cloudという名称に統一されました (ロゴのCloudは太字で、フォントはIBM独自のIBM Plex Sans)。
他のCloudを見ても特にIaaSとPaaSは別の名称になっていないので、IBMも合わせたという感じですね。元々IBMはSoftlayer社を買収したためIaaSとPaaSが分かれていましたが、中身的にも統合されるようです。IBM Cloudとは、Bluemixの後継であり、Bluemix時代に分かれていたIaaSとPaaSを統合したものと言って良いでしょう。
これまでも既にBluemixの画面からIaaSも選択できましたし、ユーザーIDなども統合されてきましたが、今後はさらに一体感を持って使えるようになりそうです。また「ビジネスに最適なクラウド」を売りにするようになりましたね。
ロゴも以下に変わっています。
これまでIBM Cloudのデータセンターは東京だけで、他の地域にデータセンターがないため災害対策等で弱かったのですが、以下のようにVMwareのNSXテクノロジー等を使って東阪で冗長構成を組めるようになりました。
IBM CloudはVMwareと非常に相性が良いため、現在VMwareを使っているシステムは、すぐにIBM Cloudの乗せる(Lift)できるのも利点ですね。
Public Cloud環境ももちろん、Kubernetesでのコンテナ管理自動化やAuto-Scale含め普通に使えますが、そのPublicと同じ環境を、共有サーバーではなく自社のみのCloud上の占有環境でも使えるDedicated環境があったり、その同じ環境をさらに自社オンプレミス環境に構築できる IBM Cloud Privateも提供されます。セキュリティ制約が厳しいビジネス環境では、自社内でも Dockerコンテナを使った柔軟なシステム拡張ができたり、クラウド・ネイティブ・アプリケーションが稼動できるのは大きなメリットでしょう。
AkamaiもIBM Cloudで利用可能になっているので、パフォーマンス対策も容易になっていますし、セキュリティ面でもFISC対応が実施されています。
また、これまでも Bluemixで Docker, Cloud Foundry, OpenStack, OpenWhisk といったオープンなクラウド・テクノロジーが使えましたが、Dockerのコンテナ管理にオープンソースの Kubernetes が全面採用され、よりオープンにDockerによるコンテナ管理ができるようになりました。
➡︎Kubernetesのコンテナ管理でクラウドにクラスタ構成
IBM Cloudで特によく使われているのは、様々なAIの機能を提供する IBM Watsonはもちろんのこと、企業が外部に対して公開するAPIのセキュリティを実現するための API Connect も多いそうです。今は金融機関を中心に、自社システムをFinTech企業などにAPI公開する事が銀行法上も努力義務化されたこともあり、API化が非常にホットになっていますね。
それから最後は ブロックチェーン。オープンソース化されているブロックチェーンの基盤ソフト、Hyperledger Fabricの正式版v1.0がついに出て IBM Cloud上で使えるようになりました。IBM Blockchain Platformという名称で既に利用可能で、日本にデータを置く事が可能になっています。
では、以下で実際にIBM Cloudにサーバーを立ち上げてみましょう。無料でできます!