IBM InterConnectの基調講演で、Ginni Rometty会長からクラウドを活用する上でのアーキテクチャーの重要性の話がありました。IBMの会長の基調講演で「アーキテクチャー」という言葉が聞かれるのは珍しいですね。会場は以下のラスベガスのホテル、マンダレイ・ベイでした。
クラウドはもうITの世界だけでの問題ではなく、世界全体を変えている、そのクラウドをうまく使いこなすためには、AIとデータを含めたアーキテクチャーが大事ですとメッセージしました。
Watsonの音声や自然言語認識などのコグニティブ技術、機械学習(Machine Learning)などのAI技術は、これからますます発展し知識が蓄えられます。そうするとそのデータへのアクセス制御や、企業ごとの知識ベース(コーパス)のしっかりした分離をすることで、セキュアな環境にしていくことが必須です。このデータの扱い方が大事なので、「データ・ファースト」でまずデータを第一に考えなければいけない。なので「データは民主化しない」(データを自由にさせない、ちゃんと制御する)と話しました。
また、Watsonを有効に活用していくためには、しっかりした業界の知識と経験がないと、十分にWatsonをトレーニングすることができません。金融や製造などの業界知識があり、セキュリティをしっかり確保しながらAIを使いこなせるのは、IBMだけであるとアピールしていました。 続きを読む IBM InterConnect 2017 基調講演 →
IBMのクラウド系のカンファレンス、InterConnect 2017初日に様々な最新技術動向が発表されました。クラウドは、その上のデータとAIとアプリ(Apps)が重要とのことで、トップのフォトのようなそれを宇宙であらわしたイメージがよく使われていました。そこにいる人が、今回のホスト Arvind Krishna。昨年までのRobert LeBlancが退任するため今回からIBMのResearchとCloudを総指揮するArvindに変わりました。
そのArvindの前に登場したのは、何とTwitterのVP Chris Moodyさん。Twitterの最大の課題である、誹謗中傷(Abuse)をIBMのWatsonで見つけて解決したいと熱く語っていただきました。会場は以下のような感じで、まさにコンサート・ホールといった雰囲気です。
次にArvindが登場し、IBM Cloud戦略について語ってくれました。ちなみにブランド名としては最近、IBM Cloudで始まる名称に整理されています。そのクラウドでの全体のメッセージは、無理にまるごと全部クラウドに移行しろというのではなく、クラウドに適切なものをPublic Cloudに移行し、オンプレミスと統合していくというトーンでした。
IBM Cloudは、以下のようにDockerのコンテナやVMwareなどのプラットフォーム上に、それらを自動化するAutomation & Orchestrationが乗ります。その上にMQやKafkaなどによるインテグレーションや、マイクロサービスやNode.jsといったクラウド開発環境、さらにその上にAPI ConnectなどAPI接続基盤と、Watsonなど様々なAPI群が乗っている構造になっています。
続きを読む IBM InterConnect 最新技術動向 →
今年も、ラスベガスで開催されるIBMのカンファレンス、InterConnectに若手技術者を派遣しました。2015年から毎年、若手5-10名をラスベガスに送り、最新技術とGlobal IBMを学んでいただいてます。
今年の会場はトップのフォトの「マンダレイ・ベイ (Mandalay Bay) ホテル」です。ホテル入り口から10分も歩いてやっとコンベンション・センターの入り口に。事前予約した時に登録したスマホのアプリでQRコードをかざして、端末でカードを発行してもらい入場できるようになります。前よりちょっとハイテクになったかな。
この巨大カンファレンスはなかなか日本では体験できません!今年はマンダレイ・ベイ・ホテル一箇所になったとはいえ(昨年はMGMホテルも)、併設されている巨大なコンベンション・センターは本当に迷子になるくらい広いです。特に食事会場の広さは、以下のように圧巻!
何千人もが同時に朝食や昼食を食べるので、ブッフェが20箇所くらいに分かれていて、かなりシステマチックです。一社のカンファレンスでここまでやるとは、この食事風景を観るだけでGlobal IBMのスケールの大きさが分かりますね。
実はある人と 4年前にここで食事をしながら、「この風景をうちの会社の若者に見せたいよねぇー」と言って始めたのが、若手技術者派遣プログラムでした。 続きを読む IBM InterConnect @LasVegas 若手派遣プログラム →
IBMの技術情報誌「ProVISION」のFinTech特集号の編集長を担当させていただき、ついにリリースいたしました!
FinTechという用語が広まってから数年を経て、日本でも、APIエコノミーやブロックチェーンなどを使った金融系の良い事例が増えてきました。今回は、そういった先進事例が多くの金融のお客様の良い参考になるのではと思い、大規模銀行様の事例を中心に特集させていただいています。
以下の特集の視点でも書かせていただきましたが、2007年が一つのデジタル時代への転機になっていると思います。iPhoneやAndroidが出てきて、ブロックチェーンやワトソンなどのAI技術もこのあたりを境に技術革新が進んでいます。この2007年からちょうど10年たった今年2017年に、このような技術を応用した、しかも金融機関系での事例が多く出てきたのは決して偶然ではなく、そういった時代の流れなんだなぁと強く感じました。
FinTech特集号なので、金融系の号ではあるのですが、なぜか既に製造業のお客様からの問い合わせも多いようで、こういった金融での取り組みも多くの業種の方が関心を持っていただいているんだなと感じました。
以下のリンクから全文を読むことができますので、是非読んでみてください!
⇒ProVISION FinTech特集号
Watson Conversationを使って会話をする、チャットボットを作ってみました。(無料で始められます)
まず、上のBluemixのカタログから、Watsonの 「Conversation」 をクリックします。
➡︎最新のWatson画面のガイドはこちら
➡︎Bluemixが初めての方はまずこのリンクをクリック
すると以下のWatson Conversationの説明が表示されます。Conversationは、日本語など自然言語のインターフェースでのやり取りを自動化する、チャットボットを含むサービスです。[作成]をクリックし自分用の対話を作成します。
以下のようにWatson Conversationの画面が出てきますので、LoginボタンをクリックしてBluemixのIDでログインしてください。
まずWatson Conversationの作業領域である ワークスペースを作成します。以下の [Create] をクリックしてください。
以下にワークスペース名 (Name)を入力してください。私は「WhatIsWatson」と入力しましたが、好きな名称をインプットできます。言語は既にセットされていると思いますが [Japanese] を選んでください。 続きを読む Watsonと会話する チャットボットの作り方 →
下の渡辺謙さんとの対話CMですっかり有名になったIBMのWatson。触ってみる前にちょっと、Watsonとは何かを自分なりにまとめてみました。
渡辺謙+IBM Watson
【渡辺謙+IBM Watson】「Watson、日本語上手だね」グローバルに活躍する俳優・渡辺謙さんとIBM Watsonが会話する最新TVCMを公開中です。流暢な日本語に関心する謙さんにWatsonが返した言葉は?#IBMWatsonIBM Watsonについて詳しくは: http://ibm.co/1Rq6Y8U
IBM Japan さんの投稿 2016年3月13日(日)
こういったWatsonとの対話は、Watsonの複数の機能を組み合わせています。Watsonって一つではなく様々な機能の集合体なのですね。
まずは「音声認識機能 (Speech to Text)」で話した事を文字に変換してWatsonに渡し、「音声合成機能 (Text to Speech)」でWatsonの文字の回答を音声に変換します。
WatsonのCMは、英語のWatson (以下のセサミストリートに登場するワトソンなど) はやや男性的な声なのですが、日本語のWatsonはやや女性的な声ですね。何か深い意図があるのでしょうか(笑)
VIDEO
続きを読む Watsonとは何か?まとめてみました →
Bluemixのクラウド・アプリ開発環境は、Agile的に継続的に開発・提供(デリバリ)していくため、「継続的デリバリー(Continuous Delivery)」と呼ばれます。これまでのDevOpsの 「継続的インテグレーション」 の拡張版で、コード開発からビルド、サーバーへのリリースの繰り返しを効率的に行うための環境です。
これを実現するためには、Bluemixのアプリケーションの「概要」画面下の「継続的デリバリー」の「有効化」ボタンをクリックします。
すると継続的デリバリー用のツールの流れ「ツールチェーン」が表示されるため、右下の「Create」ボタンで作成します。
これは、ダッシュボードのメニューの「カタログ」や「サービスの作成⊕」をクリックしても以下のようなDevOpsのメニューが出てくるため、そこでContinuous Deliveryを選択しても同じです。 続きを読む Bluemixのクラウド・アプリ開発環境「継続的デリバリー」とは何か →
Bluemixは、IBM が提供するソフトウェア込みの クラウド環境 (PaaS) です。ローカル環境無しで アプリ開発できる使い方手順を、以下にご紹介します。(ID登録以外の以下の流れは、30分もあったら完了します!)
こちらは少し古い画面になっているため、新しいBluemix画面の使い方は以下をご覧ください。
⇒最新のBluemix使い方手順はこちら 続きを読む Bluemix – 使い方手順 →
9月に開催された 「FinTechサミット」 での FinTech企業の方々とのパネル・ディスカッションを、日経電子版さんに記事にしていただきました!
⇒日経電子版さん 「FinTechを加速する共通APIというアプローチ」
テーマは「APIバンキングによる FinTech共創戦略」 で、FinTech企業の方々(Zaim, freee, Moneytree)、我々金融機関さんのシステムを預かる立場とそれぞれの観点で、今後のFinTechの方向性についてディスカッションしました。
それぞれの観点はいろいろあるものの、今後のFinTechの方向性としては、振込みなどの更新系や、FinTech企業間での取引などにますます発展するでしょうという話ができました。その中でもやはり、API (Web API)とそのセキュリティの確保が今後もFinTechのキーになるというのが共通認識でしたね。
このような日本をリードする素晴らしいFinTech企業の方々と協業し、今後も日本の新しい金融サービスの実現を開拓していきたいと思います!
9/21に丸ビルで、金融庁・日経新聞さん主催の FinSum: FinTech Summit でパネル・ディスカッションをしてきました。かなりのセッションが英語で実施されており、インターナショナルなシンポジウムでしたね。
我々のセッションは日本語でしたが、マネーツリーさん、freeeさん、Zaimさんと一緒に、FinTechのAPIバンキングについて、各社の考えるFinTechのポイントや、APIのこれからの課題についてディスカッションしました。
パネル・ディスカッションを実施して感動したことが一つ。会場で何かせっせと作業している人がいるなぁと思っていたら、終了した瞬間に、ディスカッションした内容がきれいにまとめられた以下のイラストが出来上がっていました。
似顔絵も似てるし、何よりほとんどチャートも使わないパネル・ディスカッションだったのに、要点がイラストで分かりやすくまとめてありました。感動!こういったディスカッションの可視化の方法、あるんですねー。
驚いたことに、以下のようにほとんどの主要セッションで、このイラストパネルが作成されていました。
これは分かりやすくで良いですねー。うちのイベントでも作って欲しいです!
INNOVATE HACK 九州 で行われた ハッカソン のコンテストで、お手伝い預金アプリが最優秀賞!スマホで子供の口座に気軽におこずかいをあげるなんで、楽しくなるアイデアですね!
子供が欲しい おもちゃなどの金額を目標に、お手伝いをしておこずかいを貯めるという ユースケース。子供がお手伝いして自分でそのおこずかい額を入れると、Watson がAIでその相場観を見てくれるというおまけ付き。
親がオッケーすると、スマホから、我々が提供した FinTech共通API 経由で子供のお小遣いが振り込まれます。(FinTech共通APIも記事にしていただき、ありがとうございます~) ただし、同じ支店内の口座であれば、振り込み手数料はかからないので、安心!
ハッカソンはこれまで何となくプログラマーの祭典ってイメージがありましたが、こんな子供にも嬉しいアプリが世の中に出て行くなんて、楽しいですね。ハッカソンや受賞の様子はネットでライブ中継されて、その熱気が伝わってきたのも良かったです。
しかも今回は、高校生のチームによる受賞もあって、びっくりしました。しかも、VRで九州 福岡の街に仮想広告を表示するという本格的なもの。若者がここまでやってくれると、ITのここまでの浸透にびっくりすると同時に、今後がとっても楽しみですね。
これからも金融機関や様々な企業にサービスを外部提供するAPIをたくさん作っていただき、多くの人にこういった新しい体験ができるアプリをたくさん作ってもらえるようがんばります!
これこそまさに APIエコノミー!
⇒お手伝い預金に最優秀賞! 凄すぎる高校生も登壇!「INNOVATE HACK KYUSHU」決勝戦
iPhone、Android の両方で動く、ハイブリッド な スマホ・アプリ が簡単に作れるという 「ionic」。使ってみましたが、コレは本当に良くできてます。特にクイックに スマホ らしい アプリ を作りたい時には最適でしょう。
⇒ ionicフレームワーク
ionic はモバイル・アプリを開発するためのフレームワークですが、イチから作られたモノではなく、既にポピュラーなオープンソースである AngularJSと、 Cordova (Phonegap) をベースにより簡単にアプリを開発できるようにしたものです。文字やボタンの画面部品が良くできていて、いわゆる iPhone っぽいアプリ画面を簡単に作ることができます。
ionicの、Windows で Androidアプリを作る際のセットアップ方法を、まず以下に共有します。(iOSアプリを作りたい時はMacでのセットアップが必要になるので、別途)
まずは今どきのオープンソース利用の基本、Node.jsのnpmを利用してパッケージをインストールします。また、Android SDKの導入も必要になります。これらの取得がまだの方は以下のリンクの最初の 「ダウンロードと環境準備」 を見て、それらのインストールを行ってください。
⇒ionic に含まれる Cordova 用環境設定
ionicのセットアップ
続きを読む ionic – スマホ・アプリの簡単な作り方は、これで決まり! →
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